2010年05月25日

節足動物レビュー

Of mites and millipedes: Recent progress in resolving the base of the arthropod tree.
Caravas, Jason & Friedrich, Markus (2010)
BioEssays 32: 488-495


節足動物高次系統に関するレビュー.コンパクトに良くまとまっている.Conclusion and prospects には同意.
posted by 茶坊主 at 10:46| Comment(0) | 節足動物

2010年02月15日

節足動物系統

Arthropod relationships revealed by phylogenomic analysis of nuclear protein-coding sequences
Jerome C. Regier1, Jeffrey W. Shultz1,2,3, Andreas Zwick1, April Hussey1, Bernard Ball4, Regina Wetzer5, Joel W. Martin5 & Clifford W. Cunningham4
Nature advance online publication 10 February 2010 | doi:10.1038/nature08742


いまいちネイチャーンな価値を見いだせないのですが…Yahoo では鋏角類が基部に来たことが強調されていますが,それも別に驚くことでもないし,鋏角類の単系統性も弱いままだし.

個人的には,トビムシ+カマアシが非常に強く支持されていることが収穫かな.
(シロハラさんよりご指摘いただきました.Podura と Protura を読み間違えるなんて,目と頭どちらが悪いんでしょうか?)

あと昆虫の姉妹群が結構強く支持されていることもね.
posted by 茶坊主 at 11:50| Comment(2) | 節足動物

2009年08月01日

鋏角類と多足類

カギムシの発生パターンから,節足動物の最深系統を再検討した論文.

Mayer G, Whitington PM.
Velvet worm development links myriapods with chelicerates.
Proc Biol Sci. 2009 Jul 29. [Epub ahead of print]


一般的には大顎類(多足類+甲殻類+昆虫類)が受け入れられていますが,発生のデータからは鋏角類+多足類を支持する派生形質が4つ見つかったようです.これは,大顎が独立に2回進化した事を示唆します.

ここら辺の関係は,分子でもどっちとも言えなかった訳で,可能性としてはもちろんあるんでしょうけど,あの口器が収斂で生じたとはにわかには信じられません.発生データに関しては,知識不足できちんと評価できませんが…ここら辺も SINE 等を使った研究が期待されます.
posted by 茶坊主 at 17:21| Comment(0) | 節足動物

2009年06月11日

有爪類と節足動物

取り急ぎメモ

Position and development of oocytes in velvet worms shed light on the evolution of the ovary in Onychophora and Arthropoda
GEORG MAYER and NOEL N. TAIT
Zoological Journal of the Linnean Society


有爪類と節足動物の卵巣の比較発生および比較形態.有爪+節足を支持.環形動物との近縁生は否定.
posted by 茶坊主 at 15:44| Comment(0) | 節足動物

2009年04月15日

脱皮動物の単系統性

めも

Cleavage and gastrulation in Pycnogonum litorale (Arthropoda, Pycnogonida): morphological support for the Ecdysozoa?
Petra Ungerer and Gerhard Scholtz
Zoomorphology, Published online: 9 April 2009


ウミグモの胚発生時の原腸陥入パターンから,脱皮動物の単系統性をサポートする情報が得られたそうだが,胚発生とかここら辺の高次系統に関してざっと読み流して理解できるほどの知識を持ち合わせていないので,まあとりあえずメモという事で.
posted by 茶坊主 at 11:27| Comment(0) | 節足動物

2008年12月11日

節足動物高次系統

久しぶりの更新.外は吹雪.

まだほとんど読んでないけどメモ.

Resolving Arthropod Phylogeny: Exploring Phylogenetic Signal within 41 kb of Protein-Coding Nuclear Gene Sequence
Jerome C. Regier; Jeffrey W. Shultz; Austen R. D. Ganley; April Hussey; Diane Shi; Bernard Ball; Andreas Zwick; Jason E. Stajich; Michael P. Cummings; Joel W. Martin; Clifford W. Cunningham
Systematic Biology, Volume 57, Issue 6 December 2008 , pages 920 - 938


核の蛋白コード領域62遺伝子に基づく節足動物の系統解析.第3コドンを抜かしたり,同義置換のある第1コドンを抜かしたり,タクソンセットを変えたりといろいろやって頑強な結果を追い求めている.細かくはみてないが,だいたいこれまでの結果とあっていそう.とくにこっちのねーちゃんネタと違って,Mandibulata の単系統性がきちんと支持されている点は好感度大.

そういえば,シロハラさんからバイオディバーシティの書評をいただきました.執筆に際してお世話になりました.ありがとうございました.
posted by 茶坊主 at 17:54| Comment(1) | 節足動物

2008年04月11日

動物界系統

Dunn CW, et al. (2008) Broad phylogenetic sampling improves resolution of the animal tree of life. Nature 452: 745-749.

こちらに三浦さんの解説があります.

節足動物近辺では,脱皮動物(サポート弱い),有爪+節足,節足の単系統性がそれぞれ支持されており,これらに関してはそれなりに納得できる結果となっています.節足動物内の関係は,((六脚,甲殻)(多足,鋏角))となっており,それなりに支持確率も高くなっていますが,サンプリング数があまりに少なく,この結果を受け入れようという気にはなりません(形態屋さんとしては,やっぱり大顎類の単系統性はそうやすやすと放棄できるものではない).
posted by 茶坊主 at 09:36| Comment(2) | 節足動物

2007年08月24日

節足動物の神経形態

超久しぶりの更新で,アンテナか RSS 登録でもしていない限り,誰も気づかないかもしれませんが,備忘程度にメモ.

Immunolocalization of serotonin in Onychophora argues against segmental ganglia being an ancestral feature of arthropods
Georg Mayer and Steffen Harzsch
BMC Evolutionary Biology 2007, 7:118 doi:10.1186/1471-2148-7-118


節足動物に見られる,各体節に神経球が存在して,それがはしご状につながっているという状態は,節足動物の祖先的な状態(環形動物+節足動物の共有派生形質)と長らく信じられて来ましたが,実はそうではなく,節足動物で新たに獲得された派生形質状態とのこと.節足動物の姉妹群であるカギムシにはそのような形質状態は確認されず,さらに環形動物+節足動物の近縁性も最近の分子系統の結果からは否定的.
posted by 茶坊主 at 10:34| Comment(0) | 節足動物

2007年05月14日

節足動物の頭

バイオディバーシティシリーズの初校が届いたので,チェックを進めています.昆虫の高次体系に関しては,このブログで紹介している通り,常に気にかけて追いかけて行ってるのですが,節足動物の頭部の形態に関する最近の進展に関して,特に分子発生学な研究成果が次々と出されており,追いかけきれていませんでした.

そんな所で,ちょうどいいレビューが出されていました.

Scholtz, G. & Edgecombe, G. D. (2006) The evolution of arthropod heads: reconciling morphological, developmental and palaeontological evidence. Dev. Genes Evol. 216: 395-415.


Bitsch, J. & Bitsch, C. (in press) The segmental organization of the head region in Chelicerata: a critical review of recent studies and hypotheses. Acta Zool. (Stockholm).

複眼,触角,間挿,大顎,小顎,下唇各節の存在は,ほぼ間違いないようですが,これだけのデータがそろっても今なお,上唇が付属肢由来か否かについては決着がついていないんですね.
posted by 茶坊主 at 09:59| Comment(0) | 節足動物

2006年11月15日

発生遺伝学

シロハラさんとこから情報ゲット.

Comparative developmental genetics and the evolution of arthropod body plan.
Angelini DR, Kaufman TC
Annu Rev Genet. 2005;39:95-119.

これは必読文献ですね.まだざっと眺めただけですがこのブログとも関係が深くて,気になった点をいくつか:

・一応議論は多いとしながらも,平均棍類の単系統性が分子形態いずれからも支持されるような論調となっていること
・ただし,Ubx の発現からは,Whiting & Wheeler が指摘するようなホメオボックス突然変異説は否定されること(これ,知りませんでした.引用文献を見ると,学会発表だけで論文にはなっていないようですね.もう8年も前の結果です.ちゃんと論文にしてほしいですね)
・ナナフシの翅再獲得の話はかなり疑わしい,っちゅう論調でイイ
・系統樹中で,Ephemeroptera の綴りが間違ってる
posted by 茶坊主 at 09:20| Comment(0) | 節足動物

2006年06月09日

あしだらけ

posted by 茶坊主 at 08:50| Comment(0) | 節足動物

2006年05月26日

ウミグモの頭部形態

Homology of arthropod anterior appendages revealed by Hox gene expression in a sea spider
Muriel Jager, Jerome Murienne, Celine Clabaut, Jean Deutsch, Herve Le Guyader and Michael Manuel
Nature 441, 506-508


バイオディバーシティシリーズで紹介した以下の論文と対立する結果が,Hox 遺伝子の発現パターンから得られている.つまり,ウミグモの鋏肢が前大脳に支配される付属肢であるという見方が否定され,鋏肢は実際には中大脳に支配されるとする見方が支持される.

Maxmen, A. , Browne, W. E. , Martindale, M. Q. & Giribet, G. Neuroanatomy of sea spiders implies an appendicular origin of the protocerebral segment. Nature 437, 1144−1148 (2005)

昆虫の上唇が,付属肢由来か否かとも関連しうる話題なだけに興味深い.

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posted by 茶坊主 at 12:02| Comment(0) | 節足動物