2007年12月03日

18S 論文感想ちょろっと

Zoology (Jena). 2007 110: 409-429.
Towards an 18S phylogeny of hexapods: Accounting for group-specific character covariance in optimized mixed nucleotide/doublet models.
Misof B, Niehuis O, Bischoff I, Rickert A, Erpenbeck D, Staniczek A.


Kjer (2004: Syst. Biol) の焼き直し論文な訳だが,2次構造のステム/ループを考慮したモデリング,解析を行うことで,18S のに含まれる系統情報の再検討を行ったもの.

まあ,18S だけっちゅうことで,それほどの進展も無い(まあ,他の分子情報を加えた所で,大して解像度が上がる事も無いだろう)が,系統樹を眺めた感想など(とくに Kjer の結果との比較で).

・Entognatha, Ectognatha の単系統性がそれぞれ事後確率1で支持されているかのように書いてあるが,そもそも外群を加えず,最深部の関係を議論することは無意味.Entognatha 3目の関係の議論もしているが,これも外群なしでは無意味(著者らの2次構造モデルは,多足類,甲殻類には適用できないそうな)

・Tricholepidion が他の双尾目と単系統群を構成しており,その最基部から分岐するようになっている

・有翅昆虫の単系統性もきちんと支持されている(PP=98%)

・カゲロウ+新翅類の支持は弱い

・不完全変態が単系統群となっている(PP=87% と低いが)

・直翅目が単系統群となっており,ナナフシがその姉妹群(Timema はガロアムシと組んでるが).PPは明記されていない

・半翅系昆虫も単系統群となっている(PP=95%)

・ネジレバネの位置づけは曖昧だが,少なくとも双翅類の姉妹群にはなっていない

ということで,所々ほほう,と思う所もあるが,まあこんなもんでしょ,ってな感じ.
posted by 茶坊主 at 12:02| Comment(0) | 六脚類
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