2010年04月09日

POY 叩き

Inference of molecular homology and sequence alignment by direct optimization
Matthew J. Morgan and Scot A. Kelchner
Molecular Phylogenetics and Evolution
Article in Press


Direct optimization に関する哲学的な考察です.

主張の柱は,相同性判定の基準(similarity, conjunction, congruence) のうち,DO は congruence のみに頼ってアライメント(homology の判定)を行うが,分岐図 (congruence 基準)は,形質状態 (character states = synapomorphy) の判定にのみ適用可能で,形質 (character = homology) の判定には適用できない.したがって,congruence に基づいて homology の探索を行う DO の方法論は正当化できない,というもの.

論文に出て来ている例で説明すると,鳥とコウモリの翼は「翼」としては非相同だけど,「前脚」としては相同.そして,鳥とコウモリの翼が独立に進化したということを分岐図に基づいて言うためには,それらが「相同な形質=前脚」の「形質状態」としてコーディングされている必要がある.つまり分岐図は,「形質状態」である翼についてはそれらの由来が異なることを説明できるが,前脚という「形質」そのものの相同性については何も語れない.前脚の相同性を議論するためには,他の判定基準を適用するか,もしくは前脚を「形質状態」としてコーディングしたより包括的な分岐分析が必要になる,と言った感じ.
posted by 茶坊主 at 17:09| Comment(0) | 分子系統
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