2007年04月04日

カゲロウの Wing base

下の記事の追記の中で,「むむむ」と言及していた論文の accepted manuscript が公開されていました.(追記:今日のカツラくんの点取り占いが,ずばり今日の記事とぴったりでウケました.7点と比較的高得点なので,前向きに考えましょう)

The homology of wing base sclerites and flight muscles in Ephemeroptera and Neoptera and the morphology of the pterothorax of Habroleptoides confusa (Insecta: Ephemeroptera: Leptophlebiidae)
Arthropod Structure & Development, In Press
Jana Willkommen and Thomas Ho¨rnschemeyer


新翅類と旧翅類は翅の折り畳み方が全く違うこともあり,翅の基部構造の相同性の決定は困難を極めます.上記著者たちは,筋肉相を精査することで,この難問に一定の回答を与えています.一応論文を読む限り,著者らの解釈は,ぼくの結果とほぼ一致していますが,いくつかの点で問題があります.

1.彼らが anterior notal wing process と見なしている sclerite 1 は,実は 1Ax の一部である
2.彼らが 1Ax の一部である可能性を指摘している sclerite 5 は,median notal wing process である
3.形質進化の方向性の議論で,(カゲロウ(トンボ,新翅類)),((カゲロウ,トンボ)新翅類)に基づいた議論はしているが,(トンボ(カゲロウ,新翅類))の可能性を全く考慮していない

と言うことで,黙って見過ごすのもしゃくなので,short communication paper でも投稿してみようかと画策中です.

なお,旧翅類の翅基構造での本当の難問中の難問は,トンボの相同性です.松田隆一は,翅基構造のあまりの違いから,トンボとカゲロウ+新翅類で,独立に翅が進化した可能性さえ指摘しています.この問題には,うちの修士が今取り組んでおり,一応の方向性も見えて来ています.
posted by 茶坊主 at 09:23| Comment(0) | 旧翅類
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