2009年01月23日

18S の hyper variable region

Phylogenetic comparison of local length plasticity of the small subunit of nuclear rDNAs among all Hexapoda orders and the impact of hyper-length-variation on alignment
Xie, Q., Tian, X., Qin, Y., Bu, W.
Molecular Phylogenetics and Evolution
volume 50, issue 2, year 2009, pp. 310 - 316


六脚類全オーダーの 18S の二次構造を決定して,hyper variable region の状態を検討した論文.まあ,これまでの18S論文でもさんざん言われて来たことで,もう良いだろうと思いながらぱらぱら眺めていて,ふと気になったのがジュズヒゲムシ.ハサミムシにどっぷりはまり込んでいるし,Suppl. Data 見ると,二次構造の状態も完全に一致している.そんなはずは無いと思って確認してみると…

データの由来は Terry & Whiting が使っている Zorotypus hubbardi.で,部分配列を拾って BLAST かけてみると,引っかかるのは全てハサミムシ.ジュズヒゲの 18S は,僕が取った Z. hubbardi のデータも含め,6つもあるのに全く引っかかってこない…つまりは,このデータは Whiting お得意のコンタミ(もしくは同定ミス)で,この著者たちは運悪くその一つを拾ってしまいました,チャンチャン,ということ.

さらに言えば,Terry & Whiting の結果も,コンタミが強く影響している可能性が高いということです(他に使われている2種は大丈夫).こんなのはアライメントしているときに気づきそうなもんだけど…POY の弊害ですね.
posted by 茶坊主 at 10:03| Comment(0) | 分子進化
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