2008年09月08日

膜翅目の位置

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

Near Intron Positions Are Reliable Phylogenetic Markers: An Application to Holometabolous Insects

Veiko Krauss*, Christian Thümmler*, Franziska Georgi*, Jörg Lehmann, Peter F. Stadler, and Carina Eisenhardt*

Molecular Biology and Evolution 2008 25(5):821-830


前にも書いた通り,ぼくは塩基配列を使った昆虫の高次系統推定はほぼ袋小路に入ったと感じていて,SINE のようなマーカーの探索が絶対必要と思っていました.

上記論文では,ゲノムプロジェクトの終了した昆虫を末端分類群として,イントロンのデータを用いた完全変態昆虫の系統推定を試みています.特に注目すべきは膜翅目の系統的位置付けで,完全変態群の最基部から分岐したとする結果が,22のイントロンによって支持されています.結果的には,phylogenomic 解析からの結果を支持しています.

もちろん,まだまだ分類群が少なく,また多少のホモプラシーも認められており,これで決まり!とはならないでしょうけど,膜翅目最基部仮説へのかなり強力なサポートとなるでしょう.(ちなみに wing base からも最基部仮説を支持する形質状態を見つけています.分子データを支持するような形態の論文を書くと,いぢわるなレフェリーから「分子系統を支持する形態を探したんぢゃないの?」などと言われることがしばしばなので,このような論文が出る前にモノにしたかったんですが…)
posted by 茶坊主 at 10:05| Comment(2) | 完全変態
この記事へのコメント
ざっと読んでみたのですが、面白かったです。これはどうやら、この結果は確からしいという印象を受けました。

もしも膜翅類が再基部に来ることを認めないとすれば、すごい数の平行進化を仮定しないといけなくなりますね。イントロンの位置が、どのくらい遺伝子機能に深く結びついていて、どのくらい機能に引きずられて必然的に(したがって場合によっては平行に)進化しうるのかが気になるところではありますが。

また、方法がなかなかユニークなようですが、単にイントロンのありなしではなくて、小さいエクソンをはさんで並んだイントロンを使っているあたり、系統解析の一般的な手法として普及させるためには少々ややこしい気もします。
Posted by シロハラクイナ at 2008年09月09日 12:59
ぼくもこれはかなり強力な証拠だと思います.直翅系昆虫とか旧翅類でも,この手のアプローチが期待されます.
Posted by 茶坊主 at 2008年09月11日 10:53
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