2006年11月30日

直接最適化法 追記

下の記事で,わざわざ太字で「Even with the input parameters set in advance, we recovered different trees from each investigator.」などと Kjer の主張を紹介しましたが,ちょっと考えてみると,これは direct optimization それ自体の問題点では無いだろうと思い至りました.

あまりなじみのない方法かと思いますので,簡単に direct optimization について紹介しますと,この方法は,アライメント→系統推定→系統樹に基づく再アライメント→系統推定→...を繰り返し,アライメントと系統樹を同時に最適化する方法です.

で,当然有限時間内に計算を終わらせようと思うと,heuristic search を行わざるを得ない訳で,そうなれば当然得られる結果が異なることもあるでしょう(僕自身使ったことないので,推測がはいってます.説明に不正確な点がありましたら,詳しい方,コメントいただけるとうれしいです).PAUP なんかでも heuristic search を行えば最適解にたどり着けないことは多々あるでしょうが,それは計算機側の限界ではあっても,最節約法 etc. の方法論自体の問題ではない訳です.

ということで,Kjer の指摘のうち,上記の点は direct optimization それ自体の問題点ではなかろうと思い至った次第です.ただ,Wheeler らが言うような,POY が完全に repeatable であるという主張は,やはり誤解を招くとは思います.特に彼らは,論文でアライメントパラメータを示すのみで,アライメントデータを配布していない場合が多いですが,これが大きな問題であることは明確に示されたと思います.

昆虫の分子高次系統で最も引用頻度の高い論文であろう,Wheeler らの Cladistics 論文は,direct optimization の適用の仕方を始め,問題が多々あると思います.そこら辺は,また明日にでも時間があれば,僕の意見を述べたいと思います.
posted by 茶坊主 at 21:17| Comment(0) | 分子系統
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