2006年10月30日

膜翅類の系統的位置

完全変態昆虫の高次系統最大の問題と言えば,ご存知ネジレバネ問題な訳ですが,それに次ぐ問題が,実は膜翅類の系統的位置です.一般的には長翅節(鱗翅目,毛翅目,長翅目,隠翅目,双翅目からなる単系統群)に近いと考えられてはいますが,その根拠は希薄です.分子データでも,完全変態類の最深部の解像度は低いままでした.

ゲノムプロジェクトの成果を利用した系統解析が行われ,膜翅類が完全変態昆虫の最基部から分岐したとする結果が得られています.

Phylogenomic analysis reveals bees and wasps (Hymenoptera) at the base of the radiation of Holometabolous insects.

Genome Res. 2006 Oct 25;

Authors: Savard J, Tautz D, Richards S, Weinstock GM, Gibbs RA, Werren JH, Tettelin H, Lercher MJ


185遺伝領域を使った解析で,結構いろいろねちねちと検定もしており,結果は頑強だと主張しています.

で,ぼくの感想はというと,毎度お決まりの,「これっぽっちのタクソンサンプリングじゃぁねぇ...」それに加えて,枝の長さなどを見ると,やっぱりこりゃおかしいよ,ってな感じの結果だと思います.末端の枝の長さに比べ,内部の分岐点間が長過ぎます.どんな遺伝領域を解析したのかは分かりませんが(online supplement がまだ公開されていない),ノイズが拾われまくってるんじゃないかと思います.
posted by 茶坊主 at 09:34| Comment(0) | 完全変態
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