2006年10月12日

ジュズヒゲ問題

ジュズヒゲムシの系統的位置は,ネジレバネに次いで議論の多い問題です.最近では形態からは準新翅類,分子からは網翅類という結果が出てます.しかし特に分子では long branch attraction が強く疑われる状態で,その点でもネジレバネ問題と良く似ています.

Cephalic anatomy of Zorotypus hubbardi (Hexapoda: Zoraptera): new evidence for a relationship with Acercaria
Rolf Georg Beutel and Daniela Weide
Zoomorphology Volume 124, Number 3 / August, 2005


Yoshizawa, K. & Johnson, K.P. 2005. Aligned 18S for Zoraptera (Insecta): Phylogenetic position and molecular evolution. Molecular Phylogenetics and Evolution 37: 572-580.

ところが,翅の基部構造からこの問題を再検討したところ,ジュズヒゲムシ+シロアリモドキを強く支持する共有派生形質が見いだされました.個人的には,これでこの問題はほぼ解決だろうと思っています.論文はほぼアクセプトされてはいるのですが,レフェリーから要求された追加サンプルの入手に手間取っており,真のアクセプトまではもう少しかかりそうです.先日昆虫学会で発表した要旨とスライドをおいておきますので,参考にしてください.

吉澤和徳 (2006) やっぱり形態!−翅基構造に基づくジュズヒゲムシの系統的位置−
posted by 茶坊主 at 15:29| Comment(0) | 下等新翅類
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