結局北大生協では入手できず,札幌駅前紀伊国屋書店でゲット.北大生協逝って良し.
とりあえず総論となる1章とコラムをぱらぱら.総論は新鮮な文献もきちんと引用してある.これだけの新鮮かつ網羅的な情報が日本語で読めるというのは,初学者やぼくのような専門外(本当は甲虫学を目指していたのに...)の人間にはありがたい限り.
期待していたネジレバネコラムは,さっと流している程度.とはいえ,この問題に関してこれまでの日本語解説は動物系統分類学 追補版のものだけで,その中で「今や分子データからこれら両目(双翅目と撚翅目)の姉妹関係はほぼ明らかにされたといってよいであろう」などというとんでもない解説がなされているのに比べると,ネジレバネ問題の問題(?)に関して初めて日本語で紹介されたということで,その意義は高いとおもう.(バイオディバーシティがきちんと出版されていれば...)
DNA 解析と分類学のコラムは,残念ながら読んでいて気持ち悪い.これは著者の責任というより,phylogeny, taxonomy, systematics, phylogenetic systematics, phylogenetic taxonomy と言った用語と日本語との対応がしばしば不適切なことや,分類学と系統学の違いに関する混乱にも由来しているとおもう.「系統分類学」って良く言うけど,これを phylogenetic taxonomy と思ったりすると大変なことになりますよ.
狭い意味での分類学とDNAの関わりと言えば,バーコーディングにつきる訳ですが,これに関しては項を改めて.(って,あとから書いた記事の方が上にくるんだけど)
2006年10月11日
森と水辺の甲虫誌
posted by 茶坊主 at 16:44| Comment(0)
| 完全変態
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